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第63巻 第1号

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症例報告
妊孕性温存治療不応がLynch症候群を診断する契機となった子宮体癌の1例
古川 正義1), 平田 岳史1), 小島 郁1), 中川 茉祐2), 太田 真見子1), 中村 基寛1), 遠藤 真一1), 谷口 智子1), 髙田 恭臣1), 加藤 一喜1)
1)北里大学病院産婦人科
2)北里大学病院病理学科
関東連合産科婦人科学会誌, 63(1):34-40, 2026
https://doi.org/10.60311/kjog.63-1.34

 Lynch症候群(Lynch syndrome;LS)はミスマッチ修復遺伝子(Mismatch repair;MMR)欠損を原因とし子宮体癌を若年で発症しうる常染色体顕性遺伝疾患である.若年子宮体癌患者は妊孕性温存(Fertility sparing;FS)を希望する場合があるが,MMR欠損が原因であった場合,FSに対する再発率の高さや治療抵抗性を示す報告がされている.だがLS関連の子宮体癌患者に対するFSについては一定の見解がないことから,一般的な子宮体癌と同様の治療が行われることが多い.今回,FS治療不応の経過がLSを診断する契機となり,早期に腹腔鏡手術で根治術を行った若年子宮体癌症例を経験したため報告する.症例は35歳,2経妊1経産.他院での子宮内膜組織診で類内膜癌Grade1を認め,FSを希望し当院紹介となった.治療前の検査でIA期であったためFS治療を行った.一時的に奏効したものの2度目の治療効果判定で類内膜癌の再発を認めたことと家族歴からLSを強く疑うに至り,腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術を行った.マイクロサテライト不安定性検査が陽性であったため,MMR検査を行ったところMSH2に欠損を認めLSの診断となった.若年子宮体癌患者はFSを希望する場合があるが,治療抵抗性を示す場合にはLSを念頭に置き,FSの適応について検討する必要がある.

Key words:Fertility sparing treatment, endometrial cancer, Lynch syndrome, laparoscopic surgery
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