良性転移性平滑筋腫(benign metastasizing leiomyoma:BML)は,病理組織学的には良性の子宮平滑筋腫が主に肺に転移する稀な疾患である.今回,肺BMLに対してGn-RH antagonistを用いて治療した一例を経験したため報告する.45歳3妊3産.26歳,34歳時に腹式子宮筋腫核出術,27歳,35歳時に帝王切開術,39歳時に腹腔鏡下単純子宮全摘術,両側卵管切除術を施行した.検診の胸部X線で異常陰影を指摘され,当院を受診した.CT検査で両肺野に境界明瞭な結節が多発しており転移性肺腫瘍が疑われたが,原発巣は認めなかった.胸腔鏡下左下肺葉部分切除術を施行し,病理診断でBMLの診断となった.肺残存腫瘍に対してGn-RH antagonistを投与し,6か月後の胸部CT検査では肺結節に増大傾向や,新規病変の出現なく経過した.また著明な骨密度低下など,Gn-RH antagonistによる有害事象なく経過している.BMLの治療法について一定の見解はなく,外科的治療,ホルモン治療,卵巣摘出術が行われている.本症例では卵巣摘出,ホルモン療法,経過観察についてShared decision making(SDM)を行い,Gn-RH antagonistによる治療を選択した.BMLにGn-RH antagonistを長期投与した報告はなく,今後の症例蓄積が望ましい.
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