常位癒着胎盤は分娩時大量出血の原因となるが,事前診断は困難であり帝王切開術中にはじめて診断されることが多い.常位癒着胎盤を疑った際,子宮頸部を駆血し子宮を内反させ直視下に胎盤剝離を試みるTURIP法(Tourniquet,Uterine Inversion,and Placental dissection procedure)がある.
帝王切開術中に常位癒着胎盤を疑いTURIP法を試みて転帰の異なる2例を経験したので報告する.
1例目は28歳初産婦,体外受精胚移植(IVF-ET)で妊娠成立した.妊娠28週に重症妊娠高血圧腎症を発症し,帝王切開で分娩となった.胎盤は後壁体部に強固に付着していたがTURIP法により剝離された.
2例目は33歳経産婦,前回妊娠は妊娠高血圧症により帝王切開で分娩し,分娩時に弛緩出血をきたし子宮動脈塞栓を施行した.今回IVF-ETで妊娠成立し,妊娠38週で既往帝切後妊娠のため選択的帝王切開で分娩となった.胎盤は後壁体部に強固に付着し剝離困難であり,子宮収縮も不良で出血量も増加したためTURIP法を試みた.胎盤の癒着は広範囲で境界不明瞭であり筋層の菲薄化も伴っており子宮温存は困難と判断し,子宮摘出を行った.病理学的検査でplacenta incretaと診断した.
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