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第63巻 第1号

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症例報告
腹膜癌との鑑別に苦慮した子宮頸部胃型腺癌の1例
合田 真優子1), 鈴木 由梨奈1), 三角 史1), 堀江 弘二1), 児島 直樹2)
1)埼玉県立がんセンター婦人科
2)埼玉県立がんセンター病理診断科
関東連合産科婦人科学会誌, 63(1):67-72, 2026
https://doi.org/10.60311/kjog.63-1.67

 症例は,75歳,5妊2産.腹部膨満感・腹痛を主訴に近医を受診し,画像検査で腹膜播種を伴う大量腹水を指摘され,腹膜癌が疑われて当科受診した.初診時,子宮頸部に明らかな病変を認めず,子宮内膜組織診では粘液性上皮で確定困難,腹水細胞診では腺癌が推定された.骨盤MRIで子宮・両側付属器に原発を疑う所見はなく,腹膜癌を疑い手術を行った.術中所見は大網と腹膜・腸間膜へ播種をみとめたが,子宮や両側付属器には肉眼的な異常はなく,子宮・両側付属器切除を行い手術は終了とした.病理診断では腫瘍の形態所見に加えて,免疫染色にてp16陰性,MUC6部分陽性,Claudin 18びまん性陽性であり,胃型腺癌の診断とした.子宮頸部では浸潤所見が明らかではなかったが,子宮内膜全体への上皮置換性の進展や,両側卵巣・卵管や子宮漿膜側への播種を認めると共に,小腸間膜への骨盤外播種もあり,子宮頸部胃型腺癌IVB期であった.胃型腺癌は子宮頸部腺癌の中でもHPV非依存性腺癌に属し,HPV関連腺癌に比べて進行例が多く予後不良である.進展様式が特徴的であり,既報の多施設共同研究や海外報告でも,卵巣・腹膜転移を高率に伴い,5年生存率は40%前後とされる.本症例は初診時に腹膜癌を疑わせる臨床像を呈し手術を行ったが,最終的に胃型腺癌と判明した.胃型腺癌の特徴的な転移パターンと診断の難しさを示唆する症例と考えられた.

Key words:Gastric-type adenocarcinoma(GAS), HPV-independent cervical cancer, Peritoneal dissemination, Ovarian and peritoneal metastasis pattern, Claudin 18
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