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第63巻 第1号

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症例報告
巨大子宮筋腫合併の人工妊娠中絶にメフィーゴパックが有用であった一例
河波 萌々, 樋口 明日香, 佐々 真梨子, 田中 郁百, 阿部 一也, 長谷川 澄子, 松﨑 結花里, 都築 まどか, 石田 友彦
板橋中央総合病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 63(1):79-82, 2026
https://doi.org/10.60311/kjog.63-1.79

 2023年4月に本邦で初めての経口中絶薬(メフィーゴパック)が承認された.全国的にも使用例が増えてきているが,現状ではまだ経口中絶薬よりも手術が選択されやすい傾向にある.今回,子宮内操作手技困難により中絶手術が中止となった症例に,後日経口中絶薬での中絶を図り有効であった症例を経験したため報告する.
 症例は21歳1妊0産,自然妊娠成立し,妊娠5週で人工妊娠中絶を希望され前医を受診し子宮内に胎囊を確認された.子宮後壁16 cm大の筋層内筋腫を合併しており総合病院での手術を推奨され当科紹介.妊娠6週1日に静脈麻酔下での子宮内容除去術を試みたが,子宮筋腫により子宮内腔が伸展し且つ高度に前屈しており子宮底部の胎囊にアプローチすることが出来ず手術中止となった.術翌日に腹痛と発熱を来たし子宮内感染の診断で入院し抗菌薬加療を開始した.胎囊は依然として子宮底部に位置し流産には至っておらず,早期の胎囊排出が感染制御の意義もあると考えメフィーゴパック投与の方針とした.入院第3病日にミフェプリストン,第5病日にミソプロストールを投与し人工妊娠中絶を完遂した.子宮内膜炎に対する抗菌薬治療を継続し第11病日に軽快退院となった.
 過去には外科的中絶困難例にメトトレキサートによる人工妊娠中絶を行った文献は散見されるが,本症例のようなメフィーゴパック使用の報告は少ないため,文献的考察を踏まえ報告した.

Key words:Induced Abortion, Therapeutic Abortion, Leiomyoma, Mifepristone, Misoprostol
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