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第63巻 第1号

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症例報告
妊娠中に発症し保存的な管理を行った卵巣広範性浮腫の一例
大塚 美保1), 佐藤 美香1), 廣岡 千草1)2), 山本 敬介1), 篠原 佳子1), 廣澤 聡子1), 長澤 亜希子1), 岡山 潤1), 中田 恵美里1), 尾本 暁子1), 渡邉 征雄3), 甲賀 かをり1)2)
1)千葉大学医学部附属病院産科・婦人科
2)千葉大学大学院医学研究院産婦人科学
3)稲毛とらのこ産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 63(1):83-88, 2026
https://doi.org/10.60311/kjog.63-1.83

 卵巣広範性浮腫(Massive ovarian edema,MOE)は不完全な卵巣捻転による静脈・リンパ還流のうっ滞により生じる非腫瘍性の稀な疾患であり,妊娠中の報告は少ない.超音波像が充実性腫瘍に類似しており卵巣悪性腫瘍との鑑別を要する.今回,妊娠中にMOEを発症した一例を報告する.症例は31歳,2妊0産,多囊胞性卵巣症候群の既往があった.自然妊娠成立後,近医で妊娠初期に正常大の両側卵巣を確認されていた.妊娠18週2日に右卵巣充実性腫瘍を指摘され精査目的に当院紹介受診した.超音波断層法では右卵巣は9.5 cmに腫大し,充実性部分を中心として放射状に低輝度の線状エコーが広がっていた.腫瘍性病変の鑑別のため精査を行ったところ,腫瘍マーカーの上昇はなくMRI検査では卵巣の浮腫性変化が明らかでありMOEの診断となった.妊娠中は症状が出現しなければ保存的に管理する方針とした.ダグラス窩に嵌頓していた腫大卵巣は,妊娠36週3日の妊婦健診でダグラス窩右寄りに移動し7 cmに縮小.その後,頭側に移動し妊娠40週0日に自然陣痛発来し分娩となった.妊娠・産褥期に腫大卵巣による症状はみられなかった.右卵巣は産後6か月で正常大まで縮小した.妊娠中に増大する充実性卵巣腫瘍の鑑別としてMOEも念頭におく必要がある.MRI検査や腫瘍マーカー検査を行い悪性腫瘍の可能性を除外することで保存的な管理を行うことが可能である.

Key words:Massive ovarian edema, Pregnancy, Magnetic resonance imaging
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