我々は先行研究で,分娩中30分間の胎児心拍数波形レベルを加算することで胎児ストレスの蓄積を擬似的に定量化し,胎児アシデミアを予測するiPREFACE scoreが,正期産において胎児アシデミアの高い予測能を示したことを報告した.本研究はこのiPREFACE scoreの早産期における有用性を検討することを目的とした.2017年4月から2024年1月までの期間における早産単胎経腟分娩症例を後方視的に解析した.胎児心奇形,染色体異常,胎児心拍数モニタリングが30分以内であった症例,臍帯動脈血が採取不能であった症例を除外し,解析対象となったのは179例であった.iPREFACE scoreは,分娩直前30分間の胎児心拍数波形の,日本産科婦人科学会の胎児心拍数波形レベルを全て加算し,遷延一過性徐脈のみ持続時間を乗じて算出した.胎児アシデミア(臍帯動脈血pH<7.20)を予測するiPREFACEスコアのカットオフ値は22点であり,ROC-AUCは0.85(0.743~0.952)であった.カットオフ値22点以上の群ではカットオフ値22点未満の群と比較して,臍帯動脈血ガスにおいて代謝性アシドーシスの傾向を認めた.iPREFACE scoreは早産経腟分娩においても胎児アシデミアを高精度に予測し得る指標であり,早産期では正期産より低いカットオフ値が示された.
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