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第51巻 第4号

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症例報告
妊娠維持の後に帝王切開同時広汎子宮全摘出術を行った子宮頸癌合併妊娠3例における母児の予後
伊田 勉, 中村 浩敬, 大井手 志保, 小関 真理子, 日高 志穂, 永岡 晋一, 金沢 誠司, 渡辺 深雪, 馬場 慎司, 一條 梨沙, 後藤 亮子, 小池 和範, 谷口 義実, 光山 聡
東京都立多摩総合医療センター産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 51(4):637-642, 2014

 妊娠維持の後に治療を行った子宮頸癌合併妊娠の3例について報告する.症例1:28歳,初産婦.妊娠16週時に前医にて子宮頸部円錐切除により1.5 cmの扁平上皮癌を認め,妊娠19週で当院初診した.妊娠継続希望のため,妊娠28週に帝王切開同時広汎子宮全摘出術を行った.病理進行期はpT1b1N0M0であった.術後補助療法は行わず,現在まで30か月再発を認めていない.児は修正2歳時に多動傾向を指摘され経過観察中である.症例2:40歳,初産婦.妊娠21週で当院初診した.腫瘍径は4.5 cmで,T1b2N0M0, stage IB2と診断した.妊娠29週に帝王切開同時広汎子宮全摘出術を施行した.病理進行期はpT1b2N0M0であった.術後全骨盤照射を施行し24か月再発を認めず,児は成長発達に異常を認めていない.症例3:31歳,初産婦.妊娠11週で当院初診.腫瘍径は2.5 cmで,妊娠17週に施行したMRIにて明らかな転移巣は認めなかった.T1b1N0M0, stage IB1と診断した.妊娠27週に再検したMRIにおいて,腫瘍の増大と両側閉鎖リンパ節腫大を認めた.妊娠28週,帝王切開同時広汎子宮全摘出術を施行した.病理進行期はpT1b2N1M0であった.術後同時化学放射線療法を施行し,7か月経過している.児は異常を認めていない.経過の異なる3例から母児のリスクに応じて分娩時期を個別化する必要性を考えた.

Key words:cervical cancer, pregnancy, prognosis
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