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第52巻 第1号

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原著
比較的狭骨盤の妊婦では低身長であると帝王切開となるリスクが上昇する―骨盤X線計測結果からの考察―
鮫島 大輝, 佐川 義英, 古村 絢子, 寺田 光二郎, 中村 泰昭, 落合 尚美, 中川 圭介, 中江 華子, 五十嵐 敏雄, 梁 善光
帝京大学ちば総合医療センター産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 52(1):9-14, 2015

 【目的】低身長妊婦では一般的に骨産道が狭いため,帝王切開分娩が多くなる傾向がある.しかし経腟分娩を成功する症例もあり,その関連因子については骨産道因子以外検討されていない.今回,低身長妊婦の経腟分娩成功因子を,特に比較的狭骨盤症例での非低身長妊婦との比較をもとに検討した.
 【対象と方法】2009. 3~2013. 5に骨盤X線計測を施行した初産婦211例を対象とし,X線写真の再計測および各症例の諸因子・分娩予後を調査した.検討は(1)低身長妊婦,非低身長妊婦それぞれの分娩転帰別の関連因子(2)比較的狭骨盤および正常骨盤での低身長群と非低身長群の二群間の諸因子の比較の二つとした.
 【成績】(1)低身長症例は帝王切開群で有意に比較的狭骨盤が多く,児頭が小さかった.(2)比較的狭骨盤は40例(低身長群11例,非低身長群29例)であった.児頭囲を含めた関連因子は両群で同等であるにも関わらず,分娩転帰は低身長群において帝切率が有意に高かった.一方で,正常骨盤171例では身長の因子で帝切率に有意差を認めなかった.
 【結論】低身長妊婦での経腟分娩の成否には骨産道因子に加えて児の頭囲が関連している可能性がある.また,特に比較的狭骨盤において低身長は帝王切開リスク因子である.

Key words:maternal short stature, X-ray pelvimetry, border-line contracted pelvis
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