前回preeclampsiaはPIH再発率が高いことが知られている.今回,preeclampsiaを早発型(EO群)と遅発型(LO群)に分けて再発率等を比較検討した.
2004年1月から2013年8月の間に当院で分娩した症例で,初産時に妊娠高血圧腎症(preeclampsia)の既往のある単胎,生産の症例の診療録を後方視的に検討した.妊娠分娩転帰は今回妊娠時のPIH(GH+PE)の有無,preeclampsiaの有無,分娩時週数,SGAの有無を,母体背景は,前回分娩週数,今回の分娩時年齢,分娩間隔,非妊時BMIを検討した.
前回preeclampsiaは59例であり,そのうち早発型は17例,遅発型は42例であった.母体背景は前回分娩時週数を除き,両群間で特に差を認めなかった.PIH再発率はEO群が47.1%(8/17例),LO群が26.2%(11/42例)であり,有意差は認めなかったが(p=0.137)EO群は再発しやすい傾向にあった.今回分娩週数は有意差をもって(p<0.01),EO群で早かった.EO群で再発した症例のうち,50%(4/8例)が今回も早発型であり,LO群では18.2%(2/11例)であり,有意差は認めなかったがEO群は早発型を繰り返しやすい傾向にあった.preeclampsia既往で,特に早発型の場合は再発の高リスク群であり,早期に高次医療施設に紹介するなど,慎重な管理が必要であると考えられた.
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