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第52巻 第1号

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症例報告
腹腔鏡手術にて確定診断を得た骨盤内放線菌症の1例
長谷川 哲哉, 荒田 与志子, 東 文香, 古郡 恵, 佐々木 麻帆, 加藤 宵子, 端本 裕子, 橋田 修, 永田 智子, 齊藤 圭介, 石川 雅彦
大和市立病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 52(1):103-108, 2015

 放線菌を原因とする骨盤内膿瘍は子宮内避妊具(以下IUD)に関連があるとされ,一般婦人科診療の中で時折遭遇する可能性がある.今回我々は,骨盤内膿瘍に対し腹腔鏡下手術を施行し確定診断を得たが,その治療に難渋した1例を経験したのでここに報告する.
 症例は35歳.4回経妊1回経産.12年前にIUDを留置し放置されていた.右下腹部痛出現し近医にてIUDを抜去された.その後再度右下腹部痛が出現し当院を受診した.右付属器膿瘍の診断にて抗菌薬の点滴,内服加療を行ない一時軽快するも再燃した.腹腔鏡手術にて右付属器摘出術を行った.その後経過は順調であったが,対側の左付属器膿瘍が出現した.摘出病理標本にて放線菌症と判明し,抗菌薬の長期投与にて保存的に治療をおこなった.
 骨盤内放線菌症は術前診断が困難ではあるものの,IUD長期留置例に多く発症し,抗菌薬による保存的治療が比較的有効である可能性がある.IUD長期留置例には常に放線菌感染症を念頭に置き治療にあたり,必要に応じ手術治療および診断を行うことが重要である.

Key words:actinomycosis, IUD
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