再発性多発軟骨炎（relapsing polychondritis：RP）は全身の軟骨やプロテオグリカンを多量に含む組織が再発性かつ進行性に侵され，耳，鼻，眼，気管，関節，心・血管系などに多彩な症状を呈する稀な慢性炎症性疾患である^1）2）．増悪と寛解を繰り返し死亡に至ることさえあるが，その希少性が災いし原因解明は進まず治療法もコンセンサスがない．妊娠に合併した報告は日本ではほとんどなく，海外で数例の報告を認めるのみである．また，妊娠・分娩時の管理も確立された取り決めはない．今回我々は，再発性多発軟骨炎合併妊娠の1例を経験したので，妊娠・分娩時の対応について検討し報告する．