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第52巻 第4号

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原著
45歳以上日本人女性における妊娠分娩転帰
三宅 優美, 葛西 路, 山本 ゆり子, 長谷川 良実, 榎本 紀美子, 笠井 絢子, 倉澤 健太郎, 青木 茂, 高橋 恒男, 平原 史樹1)
横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター
1)横浜市立大学医学部附属病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 52(4):521-525, 2015

 高年妊娠は増加の一途をたどり,45歳以上の妊婦も0.05~0.2%存在するため,45歳以上の妊婦の妊娠分娩転帰の検討が諸外国から報告されている.20~30歳代の妊婦に比して,高血圧合併,ART妊娠,多胎,妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病合併,帝王切開,分娩時出血量,早産,NICU入院が優位に増加し,また40歳の妊婦と比較しても,早産,高血圧合併,多胎妊娠,胎児死亡が増加するとの報告もある.しかし日本人を対象とした報告は少なく,本検討は日本人における45歳以上の妊婦の妊娠分娩転帰を検討することを目的とする.2000年1月から2014年6月の間に,妊娠22週以降に当院で分娩した全妊婦のうち,45歳以上の初産婦36人を対象としてその母体背景,妊娠分娩転帰を後方視的に検討した.また35歳以上44歳以下の初産婦1,723例を対照群として比較検討した.なお,多胎妊娠,胎児奇形の症例を除外した.45歳以上の初産婦は,ART妊娠が56%,帝王切開術が56%で,対照群に比して有意に多かった.しかし,周産期死亡は低率であり周産期予後は良好であった.また,帝王切開の原因として分娩停止が40%で,対照群に比して有意に多かった.45歳以上の初産婦は35歳以上44歳以下の初産婦に比して,帝王切開率が高いが,染色体異常や先天奇形が除外されれば,新生児転帰は良好であることが示唆された.

Key words:Very advanced maternal age, Caesarean section
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