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第52巻 第4号

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症例報告
異所性妊娠による左卵管切除後に同側の卵管間質部に再度妊娠した一症例
松下 友美, 三村 貴志, 遠武 孝祐, 石川 哲也, 島田 佳苗, 青野 抄子, 清水 華子, 飯塚 千祥, 宮本 真豪, 森岡 幹, 関沢 明彦
昭和大学医学部産婦人科学講座
関東連合産科婦人科学会誌, 52(4):603-607, 2015

 異所性妊娠の既往のある女性では,その再発リスクが高まるとされている1)2)が,反復した異所性妊娠は対側卵管に起こることが一般的で,同側での再発は極めて稀であり,その発症率は0.3%~4.2%と報告されている1)2).今回我々は異所性妊娠により左卵管切除後に,残存した左卵管間質部に再度異所性妊娠を発症し,腹腔鏡で診断,治療をした症例を経験したので報告する.
 症例は32歳,1経妊0経産.5年前の初回妊娠が左卵管膨大部妊娠であったため当院で腹腔鏡下左卵管切除術を行った.今回,妊娠7週に腹痛を主訴に来院した.異所性妊娠を疑い,MRI検査を行い,左卵管間質部妊娠と診断した.腹腔鏡下手術を行ったところ,多量の腹腔内出血と左卵管角の腫大及び破裂所見を確認し,左卵管間質部妊娠に対し,左卵管角切除術を行った.病理組織検査では間質にchorionic villiを認めた.術後経過は良好で6日目に退院した.その後,存続絨毛症もなく順調な経過であった.本症例のように付属器切除後においても同側の間質部妊娠が起こりうることに注意する必要がある.

Key words:ectopic pregnancy, interstitial pregnancy, cornuostomy, laparoscopic surgery
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