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第52巻 第4号

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症例報告
腹腔鏡下に治療し得た卵管外発生型成熟嚢胞性奇形腫の1例
矢坂 美和1), 村松 俊成1), 佐柄 祐介2), 野路 千智1), 宇田 優貴1), 石井 博樹1), 後藤 優美子1), 西島 義博2), 杉山 太朗1), 前田 大伸1), 三上 幹男2)
1)東海大学医学部付属八王子病院産婦人科
2)東海大学医学部付属病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 52(4):629-633, 2015

 成熟嚢胞性奇形腫は2胚葉から3胚葉の体細胞組織から発生する胚細胞腫瘍で,様々な成熟段階に発達する体細胞組織を模倣した腫瘍と考えられている.一方,性腺外に発生した奇形腫は,原始胚細胞が卵黄嚢から生殖原基に移動する際に,卵巣に達することができなかった胚細胞から発生すると考えられており,卵管より発生する奇形腫は稀である.
 症例は25歳の未婚女性.近医での検診にて10 cm大の卵巣嚢胞を指摘され当院に紹介受診となった.骨盤MRI検査にて骨盤正中部に約10 cm大の成熟嚢胞性奇形腫を疑う嚢胞を認めた.他の部位には腫瘍と非連続性の正常大の両側卵巣を認めた.術前腫瘍マーカーは,CA19-9が120 U/mlと軽度上昇.鑑別診断として傍卵巣嚢胞あるいは腸管由来の腫瘍が考えられ,低侵襲の腹腔鏡下手術が選択された.手術所見としては,腫瘤は卵巣と接することなく左側卵管采より外向性に発生し,両側卵巣は正常大であった.病理学的診断は成熟嚢胞性奇形腫であった.
 本邦の卵管奇形腫の報告は本症例を含め8症例あり,発生年齢は24歳から51歳であった.卵管内発生型が6例で,外向発生型が2例であった.卵管内発生では腫瘍径が4 cm未満で,偶発的な発見や不妊症を伴う症例であった.一方,外向発生型は腫瘍径が9 cm以上であった.いずれの場合も卵管奇形腫の術前診断は困難であり,手術時の観察が重要であった.

Key words:mature cystic teratoma, fallopian tube, laparoscopic surgery
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