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第52巻 第4号

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症例報告
悪性黒色表皮腫を契機に診断に至った腹膜癌の一例
高橋 雅也, 金田 容秀, 石田 ゆり, 三輪 綾子, 長井 咲樹, 楠木 総司, 木村 美葵, 寺尾 泰久, 板倉 敦夫, 竹田 省
順天堂大学医学部産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 52(4):719-726, 2015

 黒色表皮腫は皮膚の色素沈着や角化増生,乳頭状増殖を特徴とする疾患であり,肥満,内分泌疾患,悪性腫瘍に併発するという報告が散見される.特に悪性腫瘍を併発する場合は悪性黒色表皮腫と呼ばれ,婦人科癌との合併は稀である.今回,皮膚症状より黒色表皮腫と診断し,腹膜癌を発見するに至った症例を経験したため報告する.症例は66歳3経妊3経産,閉経43歳.口腔粘膜粗造および全身の乳頭状増殖病変を主訴に皮膚科を受診し,黒色表皮腫と診断された.皮膚病変出現4か月後から著明な腹水貯留を認め,内科で精査を行うも悪性腫瘍は認められず,婦人科癌精査目的に当科受診となった.骨盤部MRIでは腹膜肥厚像を認め,PET-CTで腹膜肥厚部位と大網を中心に異常集積を呈していた.血液検査でCA125:854 U/ml,腹水細胞診でadenocarcinomaを認めた.以上より腹膜癌と診断し,全身化学療法後に腫瘍縮小手術の方針となった.化学療法後,皮膚病変,腹水は消失し腫瘍マーカーは正常化した.単純子宮全摘術,両側付属器摘出術及び大網部分摘出術を施行し,病理組織診断で卵管に腫瘍の残存を認め漿液性腺癌と診断されたがその他の摘出検体に癌細胞は指摘されなかった.術後補助化学療法を施行し,現在再発は認めていない.黒色表皮腫と診断された場合,婦人科癌を含めた悪性腫瘍の合併を考慮し精査,治療を行う必要性があると考えられた.

Key words:malignant acanthosis nigricans, peritoneal cancer, ovarian cancer
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