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第53巻 第1号

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原著
周産期的合併症のない双胎妊娠における妊娠37週,38週での予定帝王切開を施行した母体・新生児予後の検討
長谷川 瑛洋, 村越 毅, 小笠原 仁子, 神農 隆, 松下 充, 松本 美奈子, 鈴木 貴士, 鳥居 裕一
聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター周産期科
関東連合産科婦人科学会誌, 53(1):1-7, 2016

 【目的】双胎の至適帝王切開時期に関して明確な基準は定まっていない.周産期的合併症のない双胎の予定帝王切開が37週と38週のいずれが適当であるかを緊急帝王切開率,母体合併症,および新生児呼吸障害の観点から検討した.
 【方法】2006年1月より2013年12月までの8年間に35週台で合併症のない一絨毛膜二羊膜および二絨毛膜二羊膜双胎において,一児非頭位,両児非頭位,既往帝王切開,既往子宮手術の適応で妊娠37,38週台に選択的帝王切開を予定した215例を対象とした(37週予定群:60例,38週予定群:155例).
 【結果】緊急帝王切開率は37週28.3%,38週36.7%と両群間に差を認めなかった(p=0.24).母体合併症は1,500 ml以上の出血は37週36.7%,38週23.9%(p=0.06),輸血率は37週5.0%,38週1.9%(p=0.35),重症妊娠高血圧症候群の合併率は37週11.7%,38週5.2%(p=0.13)と両群間に差を認めなかった.新生児呼吸障害により蘇生を必要とした割合は37週19.2%,38週8.1%と38週で有意に低かった(p<0.01).
 【結語】周産期的合併症のない双胎妊娠において38週で帝王切開を予定することは37週に比較して緊急帝王切開率,母体合併症を上昇させず新生児呼吸障害の合併率が有意に減少するため妥当であると考えられた.

Key words:cesarean section, pregnancy, respiratory distress syndrome, twins
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