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第53巻 第1号

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症例報告
循環血液量減少性ショックを呈した子宮捻転の一例
遠見 才希子, 古澤 嘉明, 末光 徳匡, 鈴木 陽介, 松浦 拓人, 寺岡 香里, 笹澤 智聡, 鈴木 真, 大塚 伊佐夫, 清水 幸子, 亀田 省吾
亀田総合病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 53(1):41-46, 2016

 子宮捻転は稀な疾患であり,非妊娠子宮においては閉経後の子宮筋腫で発生頻度が高い.CT・MRIは診断に有用であるとの報告があるが,術前診断は困難とされている.突然の腹痛や嘔吐を示し,症状が増悪する場合に開腹手術で確定診断されることが多い.臍高を超える巨大子宮筋腫を有する64歳女性が突然の腹痛で来院した.CT・MRI検査では渦巻状の子宮頸部とらせん状の子宮動脈を認め子宮捻転と診断した.腹痛は改善したが,手術待機中にショックバイタルと乏尿を認め,循環血液量減少性ショックとなった.緊急開腹手術を行い,子宮は360度捻転し,子宮筋腫内に多量の血液貯留を認めた.
 閉経後巨大子宮筋腫症例では,加齢に伴う子宮の支持組織の脆弱化により子宮捻転を生じやすくなる可能性があり,子宮の鬱血によってショックを示し得る.特徴的な画像所見を認めた場合は,本疾患を考慮し緊急開腹手術を念頭においた管理をすべきである.

Key words:uterine torsion, uterine leiomyoma, hypovolemic shock
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