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第53巻 第1号

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症例報告
過多月経に対するレゼクトスコープを用いた子宮内膜焼灼術
萩原 聖子, 小堀 宏之
メディカルトピア草加病院婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 53(1):83-89, 2016

 目的:子宮内膜焼灼術は過多月経の患者に対して,子宮内膜や筋層の一部を破壊し,無月経または過少月経の状態とすることを目的に施行されている.低侵襲であるため特にマイクロ波による焼灼術が普及している.今回レゼクトスコープにローラーループ電極またはボール電極を装着して施行した子宮鏡下子宮内膜焼灼術を報告する.
 方法:挙児希望がなく,過多月経を主訴とする症例のうち,インフォームドコンセントを得た6例を対象とした.
 成績:平均年齢は43歳で,全例2経産以上であった.1例は2 cmの粘膜下筋腫および子宮腺筋症,2例で子宮内膜ポリープを認めたが,残る3例は子宮に器質的異常を認めなかった.子宮内膜を全周性に内子宮口の1 cm頭側までローラーループ電極で切除し,続いてローラーボール電極で同範囲内の子宮内膜を焼灼した.平均手術時間は22分,平均出血量は10 gで,水中毒や子宮穿孔などの合併症は認めなかった.切除標本の病理組織検査で2例に子宮内膜増殖症を認めた.術後観察期間の中央値は17か月で,1例は無月経のまま経過している.残り5例は術後3か月以内に月経が再開しているが,全例で過多月経は改善されている.
 結論:レゼクトスコープによる子宮鏡下子宮内膜焼灼術は直接鏡視下で子宮内膜を破壊することが可能で,子宮内腔の器質的疾患の有無に関わらず月経量の減少効果を得られた.また切除標本を病理組織学的に検索できる利点がある.

Key words:uterus, heavy menstual bleeding, endometrial ablation, endometrial resection
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