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第53巻 第1号

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症例報告
サイトメガロウイルス感染症(CCMVI)の2症例
小堀 周作, 後藤 俊二, 永野 玲子, 後藤 瑞穂, 小平 雄一, 下倉 眞平, 内藤 幸恵, 加藤 英二
独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院周産期母子医療センター
関東連合産科婦人科学会誌, 53(1):105-111, 2016

 母子感染の中で,サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)は頻度が高く,かつ児に神経学的な後遺症を残すことがあるため,重要である.妊婦のCMV抗体保有率は70%程度と低下しつつあり,妊娠中の初感染による胎児感染の増加が懸念されている.
 今回2011年4月から2013年4月までの3年間に当院で経験した先天性CMV感染症(congenital cytomegalovirus infection:CCMVI)2症例について報告する.症例1は,妊娠18週より胎児腹水認め,妊娠28週胎児腹水増量のため当センター紹介となる.羊水中CMV-DNA検査よりCCMVIと診断し,腹腔内胎児グロブリン療法施行となる.胎児腹水は著明に減少し,妊娠40週2日自然経腟分娩となる.症例2は,他院よりNRFS,胎児腹水の診断にて当センター母体搬送となり,緊急帝王切開となる.新生児尿,血液のCMV-DNA検査よりCCMVIと診断した.2症例とも出生後VGCV内服施行し,治療前後にて,聴性脳幹反応(ABR),網膜炎の改善を認めた.今回の症例より,CCMVIの胎内診断や,出生後迅速なCCMVIの診断を行い,胎児治療や,出生後早期の新生児治療を導入することにより,新生児の神経学的予後改善に寄与する可能性があると考えられた.

Key words:Hydrops, CMV-PCR, Ventriculomegaly, Valganciclovir
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