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第53巻 第4号

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症例報告
分娩後に子宮頸部円錐切除術を施行し頸管閉塞を来した1例
堂園 渓1), 東 眞1), 渡部 耕平1), 酒井 謙1), 小山 典宏1), 小林 陽一2), 岩下 光利2)
1)小山記念病院産婦人科
2)杏林大学医学部産科婦人科学教室
関東連合産科婦人科学会誌, 53(4):475-479, 2016

 近年,子宮頸部上皮内病変(CIN)は若年者で増加傾向にある.診断および治療を目的として子宮頸部円錐切除術(円切)が行われる場合が多いが,術後の子宮頸管狭窄や閉塞に注意する必要がある.今回,分娩後月経再開前に施行した円切後の頸管閉塞に対し,外科的開窓術に加えてIUDを挿入し,良好な経過を得られている症例を経験したので報告する.
 症例は30歳,4経妊2経産.不正出血で他院受診し,子宮頸部細胞診にてHSILであったため,精査目的に当院紹介受診となった.その後の経過観察中に2回の妊娠出産に至ったが,2回目の出産後,産褥3か月の細胞診にてASC-H,組織診にて高度異形成であったため,産褥5か月で円切施行,病理組織診断は高度異形成,断端陰性であった.円切施行時は授乳中で月経は再開しておらず,術後早期から外子宮口は確認出来なくなった.術後9か月で月経が再開するも,外子宮口は不明瞭で経腟超音波にて子宮内に液体貯留を認める状態が持続した.以降,月経は周期的に発来したが月経量は極めて少なかった.術後1年6か月で下腹部痛が出現したため,外科的開窓術を施行し,ネラトンチューブを接続したIUDを挿入した.術後,月経は順調に発来し,子宮ゾンデの挿入も可能な状態である.
 分娩後月経再開前に円切を施行すると頸管閉塞のリスクが増加するとの報告があり,分娩後月経再開前に円切を施行する場合には頸管狭窄や閉塞に十分注意すべきと思われる.

Key words:uterine cervical occlusion, cervical conization
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