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第53巻 第4号

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症例報告
子宮内膜症が起源と推測される子宮外低悪性度子宮内膜間質肉腫の1例
山本 さやか1), 佐近 普子1), 高木 偉博1), 西澤 千津恵1), 飯高 雅夫1), 高田 学2), 森 篤1)
1)長野市民病院婦人科
2)長野市民病院消化器外科
関東連合産科婦人科学会誌, 53(4):495-498, 2016

 低悪性度子宮内膜間質肉腫の多くは子宮体部に発生するが,子宮体部に腫瘤を認めず骨盤腹膜と直腸漿膜上に発生した症例を経験した.
 症例は40歳,下腹部痛を主訴に受診した.骨盤MRI検査ではT2強調画像で均一な高信号を呈する表面平滑,分葉状の充実性腫瘍を認め,子宮との連続性は認めなかった.悪性卵巣腫瘍の診断で開腹手術を施行した.子宮と両側卵巣は正常であったが,左骨盤腹膜上に約8 cmの充実性腫瘍,及び直腸漿膜面に約3 cmの腫瘍を認めた.腫瘍は異型のある紡錘形細胞からなり,低悪性度子宮内膜間質肉腫と診断した.腫瘍内に少量の内膜腺様の腺管を認め, 骨盤腹膜上の子宮内膜症が発生母地と推測された.診断に際して骨盤腹膜上に発生した紡錘形細胞からなる腫瘍では,子宮外発生のLGESSを念頭に置く必要がある.

Key words:low grade endometrial stromal sarcoma, endometriosis, MRI
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