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第54巻 第4号

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原著
当院における子ども虐待対応チームの取組みに関する検討
横溝 陵, 小西 晶子, 中島 あかり, 森 祐介, 横須 幸太, 近藤 息吹, 井上 桃子, 宮 美智子, 青木 宏明, 種元 智洋, 佐村 修, 岡本 愛光
東京慈恵会医科大学産婦人科学講座
関東連合産科婦人科学会誌, 54(4):363-368, 2017

 【目的】我が国において児童虐待は年間約9万件発生しており,早期発見と包括的支援のため医療機関にも組織的な対応が望まれている.当院では平成24年度に子ども虐待対応チームCAPS(Child Abuse Prevention System)を院内に設置し組織的な対応を行っており,虐待発生前に介入を開始できる産科はそのメンバーとなっている.本検討では当院におけるCAPS設置以来の活動の実態調査を行い,産科領域におけるCAPSの取組みを明らかにすることを目的とした.【方法】平成24年4月から平成28年3月の4年間で,CAPS介入事例数の年次変化,担当診療科等を調査した.またその内の産科における活動に着目し,介入契機や患者背景について検討した.【結果】CAPS介入件数は計117件で13件(平成24年度)から44件(平成27年度)と増加傾向にあった.その中で産科事例が占める割合も2件(15.4%,平成24年度)から11件(25%,平成27年度)と高くなった.CAPS介入の契機としては精神疾患合併妊娠が14件(56%)を占めており,片親・未入籍が11件(44%),妊婦健診未受診が6件(24%)と続いていた(重複を含む).【結語】CAPSの運用件数は年次的に増加傾向にあり,産科事例が占める割合も増加していた.児童虐待を未然に防ぐために,産科が中心となり組織的に活動を行っていくことが重要である.

Key words:child abuse prevention support, perinatal support, social capital, psychological disorder
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