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第54巻 第4号

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症例報告
帝王切開時に偶然発見されたS状結腸癌の1例
川合 貴幸, 中村 学, 高橋 泰洋, 井上 直紀, 市川 大介, 阿部 由佳, 智多 昌哉, 宮本 純孝, 安藤 昭彦
さいたま赤十字病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 54(4):415-419, 2017

 結腸癌合併妊娠は極めて稀であり,その頻度は35,000分娩に1例と報告されている.我々は妊娠中に食思不振・体重増加不良を認めたが発見できず,帝王切開時に偶然S状結腸間膜に腫瘤を認め,S状結腸癌の診断に至った症例を経験したため報告する.34歳1経妊1経産.AIHにて妊娠成立後,当院で妊婦健診を施行していた.経過中悪阻にて入院歴があり,妊娠中期まで消化器症状・体重増加不良を認めていた.骨盤位を適応に妊娠38週5日に選択的帝王切開術を施行した.術中にS状結腸間膜に約5 cmの境界明瞭な腫瘤を認め,切除を施行した.病理学的にAdenocarcinomaのリンパ節転移と診断した.産褥期に下部消化管内視鏡にてS状結腸に進行癌を認めた.帝王切開後34日目にS状結腸癌に対して,腹腔鏡補助下S状結腸切除術(D3郭清)を施行した.最終病理診断はS状結腸癌T2(MP)N1(1/34)H0P0M0,Stage IIIa,現在術後化学療法中である.

Key words:Cesarean Section, Sigmoid colon cancer
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