書誌情報

第54巻 第4号

  • 書誌情報
  • 全文PDF

症例報告
初経から10年以上の期間を経て診断に至ったOHVIRA症候群の不完全腟閉鎖群の2例
横須 幸太, 黒田 高史, 永吉 陽子, 川畑 絢子, 嘉屋 隆介, 飯田 泰志, 上田 和, 斎藤 元章, 矢内原 臨, 山田 恭輔, 岡本 愛光
東京慈恵会医科大学産婦人科学講座
関東連合産科婦人科学会誌, 54(4):421-426, 2017

 OHVIRA症候群はWolff管の発生障害に伴うMüller管の癒合不全により生じ,重複子宮,重複腟,片側の腟閉鎖・腎欠損を合併する稀な疾患である.腟閉鎖の程度と重複子宮間の交通の有無で3群に分類される.今回,我々は不完全腟閉鎖群のOHVIRA症候群の2例を経験したので報告する.
 症例1は32歳.主訴は膿性帯下,下腹部痛と肛門痛であった.画像検査で重複子宮,腟右側に右側子宮頸部と連続する囊胞性腫瘤を認め,また右腎は欠損していた.経腟的に腟壁開窓術を施行し,囊胞内の膿瘍をドレナージした.切除組織は腟粘膜であり,OHVIRA症候群と診断した.33歳で右側,36歳で左側の子宮に自然妊娠し,いずれも妊娠38週に帝王切開で分娩となった.
 症例2は25歳.主訴は過長月経と月経時に増強する下腹部痛,肛門痛であった.画像検査で重複子宮,重複腟と右腟留血腫を疑う囊胞性腫瘤を認め,また右腎は欠損していた.症例1と同様の手術を施行した.切除組織は腟粘膜であり,OHVIRA症候群と診断した.
 OHVIRA症候群の不完全腟閉鎖群は,完全腟閉鎖群に比べて初経から診断までに時間を要する傾向にあると考えられた.

Key words:OHVIRA syndrome, Wunderlich syndrome, uterus didelphys
他地区の会員で全文PDFをご覧になりたい方は、学会事務局へお問合せください。

一般社団法人
関東連合産科婦人科学会

〒102-0083
東京都千代田区麹町4-7
麹町パークサイドビル402
(株)MAコンベンションコンサルティング内
E-mail:kantorengo@jsog-k.jp

一般社団法人関東連合産科婦人科学会

ページの先頭へ

Copyright © 一般社団法人関東連合産科婦人科学会