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第55巻 第1号

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原著
院内産後ケアセンターの現状と課題:千葉西総合病院さくら産後ケアセンター2年間の経験から
杉山 彩子, 小林 圭子, 飯田 玲, 廣瀬 一浩, 森山 修一, 徳永 翠
千葉西総合病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 55(1):9-14, 2018

 産後ケアのニーズと注目が高まる昨今,疾病や様々な病態にも対応できる総合的機能を兼ね備えた病院内産後ケアセンターの意義も高まっていると思われる.2次救急指定総合病院である当院産婦人科病棟内に開設された産後ケアセンターで初期2年間に経験した116例について,電子カルテデータならびに利用後のアンケートを用い,当院の院内産後ケアセンターの現状と課題について検討した.当研究により,以下の3点が明らかになった.
 1.過去の報告同様,高齢出産,初産が利用者の特徴としてあげられた.
 2.入院目的としては,育児不安や専門的指導を求める部分もあったが,総合病院らしい特徴として新生児の入院延長に伴う産褥入院希望も多かった.
 3.産後ケアセンターに対して,社会はソーシャル・キャピタルとしての役割を求めることが多いが,産褥婦自身はアクティビティ参加やコミュニティ形成より,休息や自身の時間を求めていることがわかった.
 総合病院内産後ケアセンターとして,産褥婦自身のニーズを汲み取りその後の育児生活への順調な離陸を図れるように充分な支援を行うと同時に,常に小児科や内科,外科等各科と連携を取りながら必要時に瞬時に的確な医療を提供できる体制を整えておくことが重要である.しかしながら,産後ケアセンターにソーシャル・キャピタルとしての役割を期待することは産褥婦自身の希望とは乖離があり,今後の検討課題である.

Key words:postpartum period, postnatal care, postpartum care, social capital
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