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第55巻 第1号

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原著
当院で10年間に経験した子宮破裂14症例の検討
宮武 里沙, 山田 学, 水野 祥, 中島 温, 渡邊 理子, 笠井 靖代, 木戸 道子, 宮内 彰人, 安藤 一道
日本赤十字社医療センター産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 55(1):27-32, 2018

 【目的】子宮破裂は母子双方にとって危険な産科合併症である.当院で扱った子宮破裂症例の発生頻度とその特徴,母子の予後の検討を行った.
 【方法】2006年から2015年の日本赤十字社医療センターでの分娩と母体搬送症例のうち子宮破裂と診断された症例について診療録を用いた後方視的研究を行った.
 【成績】子宮破裂は14例に発生し,うち全子宮破裂が7例,不全子宮破裂が7例であった.瘢痕性子宮破裂は帝王切開既往が7例,筋腫核出術既往が3例で,非瘢痕性子宮破裂は4例であった.院内発生の子宮破裂症例は9例で,うち8例が瘢痕性子宮破裂であった.搬送症例では5例中3例が非瘢痕性子宮破裂であった.瘢痕性子宮破裂は10例中4例でpretermの破裂であった.全例で子宮の温存ができ,母体死亡例はなかった.児の死亡は妊娠19週の1例であった.全子宮破裂症例の児は全例NICUに入院したが,長期予後は良好であった.
 【結論】当院での瘢痕性子宮破裂の頻度は約1%と低く,児の予後も良好であった.従って迅速な対応が可能な施設で子宮手術既往妊婦に経腟分娩を試みることは妥当である.瘢痕性子宮破裂はpretermの発生も稀ではないため,子宮手術既往妊婦は陣痛発来前からハイリスク妊娠として管理する必要がある.

Key words:Uterine rupture, Cesarean section, Uterine myomectomy, Labor induced, Obstetrical analgesia
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