書誌情報

第55巻 第4号

  • 書誌情報
  • 全文PDF

症例報告
急性肝障害,ショック状態を伴った副角妊娠破裂の一例
緒方 佑莉, 定月 みゆき, 赤羽 宏基, 粟野 啓, 林 彩世, 郷田 朋子, 諸宇 ヒブン, 大西 賢人, 中西 美紗緒, 上野山 麻水, 高本 真弥, 山澤 功二, 大石 元, 矢野 哲
国立国際医療研究センター
関東連合産科婦人科学会誌, 55(4):511-515, 2018

 副角妊娠は本邦で全分娩の0.007~0.008%と稀であり,50%以上は破裂に至るとされている.今回我々は妊娠25週に急性肝障害,ショック状態で搬送され副角妊娠破裂と判明した一例を経験した.症例は39歳,前医で双角子宮の右側妊娠と診断されていた.妊娠25週に下腹痛と排尿障害が出現し,さらに胃痛,嘔気,心窩部痛と血液検査で著明なAST,ALTの上昇を認めたため入院となった.翌日の腹部超音波検査では胎児心拍,羊水を認めず,急激な腹痛の出現と意識レベルの低下のため当院へ救急搬送された.来院時はショックバイタルであり,造影CT検査から双角子宮の破裂と診断し緊急開腹手術を施行した.術中所見では右側の副角妊娠破裂であり,胎児は子宮外に脱出していた.副角子宮ならびに副角より起始する右卵管を摘出し,主角の子宮を形成した.血清AST・ALT値は入院時をピークとしてその後は自然に改善した.AST・ALT値の上昇は,徐々に進行した副角破裂による筋細胞障害,それに続き生じたshock liverによると考えられた.副角子宮,副角妊娠の診断は困難であるが,MRI検査や3D超音波検査の有用性が示唆されており様々な方法で早期に診断することが重要である.

Key words:ruptured rudimentary uterine horn pregnancy, acute liver failure, fetal death, hemorrhagic shock
他地区の会員で全文PDFをご覧になりたい方は、学会事務局へお問合せください。

一般社団法人
関東連合産科婦人科学会

〒102-0083
東京都千代田区麹町4-7
麹町パークサイドビル402
(株)MAコンベンションコンサルティング内
E-mail:kantorengo@jsog-k.jp

一般社団法人関東連合産科婦人科学会

ページの先頭へ

Copyright © 一般社団法人関東連合産科婦人科学会