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第55巻 第4号

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症例報告
妊孕性温存治療後に頸管妊娠を反復した一例
木村 友沢, 永井 優子, 津曲 綾子, 細川 義彦, 飯場 萌絵, 辻本 夏樹, 西田 恵子, 大原 玲奈, 八木 洋也, 小畠 真奈, 濱田 洋実, 佐藤 豊実
筑波大学医学医療系産科婦人科学
関東連合産科婦人科学会誌, 55(4):523-527, 2018

 頸管妊娠の治療は現在,妊孕性温存治療が主流となっているが,治療後の妊娠の予後は必ずしも明らかではない.今回,妊孕性温存治療後に頸管妊娠を反復した症例を経験したため報告する.症例は33歳の1妊0産.自然妊娠し近医を受診したところ,頸管妊娠が疑われ当院紹介,入院となった.入院時の血中β-hCGは2,845 mIU/mL,超音波検査では子宮頸管内に胎囊と胎児心拍を認め,頸管妊娠と診断した.治療はmethotrexate 50 mgを超音波ガイド下に胎囊内局所注射した後,methotrexateの全身投与を行った.その後大量の性器出血はなく,薬物療法開始29日目に血中β-hCGは11.2 mIU/mLに低下し退院となった.その後3回自然妊娠するも全て稽留流産であった.38歳で自然妊娠し異所性妊娠疑いで当院紹介入院となった.入院時のβ-hCGは1,014 mIU/mlであり,超音波検査では頸管妊娠の流産を疑った.2日後β-hCGは403.2 mIU/mLまで自然低下したがその後低下せず,methotrexateの全身投与を行った.β-hCGは20.1 mIU/mLに低下し薬物療法開始16日目に退院となった.本症例ではmethotrexateによる治療後に頸管妊娠を反復した.頸管妊娠の妊孕性温存治療の安全性と治療後妊娠の予後を明らかにするためには,多数例を対象とした治療転帰の調査が望まれる.

Key words:recurrent cervical pregnancy, conservative management, methotrexate
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