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第56巻 第1号

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原著
腹腔鏡下子宮筋腫核出術の出血量と手術時間に影響を与える因子について
鈴木 美沙子, 渡邉 建一郎, 磯村 真理子, 井野 創, 佐川 慧, 松田 繁, 可世木 華子, 小野 修一, 桑原 慶充, 市川 雅男, 明樂 重夫, 竹下 俊行
日本医科大学付属病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 56(1):9-15, 2019

 腹腔鏡下子宮筋腫核出術(Laparoscopic myomectomy;LM)は開腹手術に比べ術後疼痛の軽減や入院日数の減少などが期待できる低侵襲な手術であるが,時として多量の出血や手術時間の延長を経験することがある.今回,LMの出血量や手術時間を術前に予測するため,それらに影響を与える因子を解析し,よりリスクが低いLMを施行するための条件を検討した.2015年1月から2017年7月までの間に当科で行なったLM102例のうち,最大筋腫が漿膜下筋腫の症例では有意に単位時間当たりの出血量が減少するため,漿膜下筋腫の症例を除外した計84例のLMを対象とした.解析の結果,出血量の増加に影響を与える因子は手術時間,最大筋腫直径であった.一方,手術時間に影響を与える因子は筋腫個数であった.したがって,LMにおいて出血量に影響を与える因子は最大筋腫直径,手術時間に影響を与える因子は筋腫個数であることが分かった.出血量400 mlを基準としてROC曲線を引くと最大筋腫直径が62 mm,また時間を介して筋腫個数3.5個がカットオフポイントになることが判明した.これらは術前に分かる指標となり,この条件に合う症例がより安全なLMを行うための,とりわけ認定医を持たない医師が執刀する良い適応となると考えられた.

Key words:laparoscopic myomectomy, blood loss, operation time
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