順天堂大学医学部産婦人科学講座に所属している,または所属していた出産後の女性医師に勤務実態を調査したので報告する.グーグルフォームを用いて60名,のべ118出産の前後の勤務状況・当直中や病時の保育先・常勤復帰した理由・非常勤である理由などを質問した.常勤に復帰した65.3%が学位や産婦人科専門医・サブ専門医の取得を目標に定めていた.1児目の産後に常勤復帰した者の69.7%が現在も常勤であり,産後非常勤であった82.4%が現在も非常勤であったことから,第1子の産後の勤務状況が現在までも大きく影響しており,初回の出産後の勤務サポートがその後の出産後の勤務までも決め手になる,と思われた.
育児中の女性医師は目指す道も個々の考えも異なり,勤務体制は多様化している.本人が常勤復帰を望んでいても家族の助けや理解が得られないケースもあり,産後の常勤復帰は各家庭の状況に左右される.産後の女性医師の常勤勤務の実態と傾向を知ることで,個人のキャリア継続への後押しになると思われた.
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