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第56巻 第1号

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原著
内視鏡技術認定医のいない施設での腹腔鏡下子宮全摘術の導入経験
高野 克己1), 沖 明典1)2), 小島 佑基1), 津曲 綾子1), 藤枝 薫1), 山口 まどか1), 玉井 はるな1), 道上 大雄1), 秋山 梓1), 安部 加奈子1), 漆川 邦1), 越智 寛幸2), 吉川 裕之1)
1)茨城県立中央病院産婦人科
2)筑波大学医学医療系産科婦人科学
関東連合産科婦人科学会誌, 56(1):27-34, 2019

 2014年4月に腹腔鏡下子宮体癌手術が保険診療になった.当院では腹腔鏡下子宮体癌手術を始めるに当たり2013年に腹腔鏡下子宮全摘術(total laparoscopic hysterectomy:TLH)を開始した.日本産科婦人科内視鏡学会の内視鏡技術認定医の人数には地域格差があり,茨城県では2013年4月には1名であった.このような事情もあり,経験者の指導がないままの開始となった.開始にあたり腹腔鏡下の結紮・縫合の基本手技は,YouTubeを参考にしてドライボックスでトレーニングを行った.ポート配置は変形ダイヤモンド型とし,TLHは尿管損傷のリスクが高いことからまず前方アプローチで尿管の走行確認と子宮動脈の結紮・切断を行うこととした.TLH導入前に手術手技は動画で学習し,開腹子宮全摘時に子宮動脈の処理や基靱帯の処理をTLHと同様に行い手技の確認を行った.2013年8月から2017年8月の間に28例のTLHを施行した.困難症例に遭遇した際には適切なアドバイスが得られず対応に苦慮したが,輸血や開腹移行例はなく,重篤な合併症もなかった.内視鏡技術認定医が少なく経験者からの指導が得がたい状況であったが,十分なトレーニングと開腹術や手術動画で術式確認を行うことで安全にTLHを導入出来た.新規にTLHを導入する時やこれから内視鏡手術を開始する初心者の一助になればと考え報告する.

Key words:total laparoscopic hysterectomy, laparoscopic surgery, certificated laparoscopic surgeon
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