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第56巻 第1号

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症例報告
二期的腹腔鏡下手術を施行した卵管間質部妊娠の一例
豊原 佑典, 袖本 武男, 藤井 達也, 福井 大和, 上原 真里, 佐藤 麻梨恵, 寺田 光二郎, 根井 朝美, 香川 秀之
関東労災病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 56(1):111-115, 2019

 【緒言】卵管間質部妊娠は,異所性妊娠の2~4%と稀な疾患である.早期に診断される症例もあるが,診断時に大量の腹腔内出血を来していることも少なくない.今回我々は出血性ショックを伴う卵管間質部妊娠破裂に対して二期的に腹腔鏡下手術を施行した症例を経験したので,報告する.【症例】30歳1妊0産,下腹部痛を主訴に救急搬送され,来院後血圧71/48 mmHg,脈拍96回/分とショックバイタルとなった.血清hCG 5,824 mIU/mlと上昇,腹部CT上右卵管妊娠が疑われ,緊急腹腔鏡手術を施行した.腹腔内所見より右卵管間質部妊娠破裂と診断した.腹腔内出血は2,900 mlであった.迅速に手術を終了すべきと判断し,破裂部位からの出血を凝固止血して手術を終了とした.術後経過は良好でhCG値も12.5 mIU/mlまで低下し,10日目に退院となった.4か月後に再度腹腔鏡手術を施行.卵管間質部を切開,瘢痕組織を除去し,同部位を縫合した.【結語】出血性ショックを伴う卵管間質部妊娠破裂の治療においては,救命を優先し,二期的手術も選択肢になり得ると考えられた.

Key words:Ectopic Pregnancy, Interstitial Pregnancy, Laparoscopic Surgery
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