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第56巻 第1号

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症例報告
60 kgの巨大卵巣腫瘍に対して術前に腫瘍内容ドレナージを実施した一例
小嶋 一司, 山西 優紀夫, 露木 大地, 山本 小百合, 山田 香, 笹ヶ迫 奈々代, 川村 温子, 山西 恵, 小阪 謙三
静岡県立総合病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 56(1):137-143, 2019

 巨大卵巣腫瘍の摘出は呼吸循環動態に大きな影響を与え,周術期管理に苦慮することが多い.今回,我々は術前に腫瘍内容ドレナージを実施し全身状態の改善をはかることで重篤な周術期合併症を回避できた症例を経験した.症例は,36歳,未経妊,身長159 cm,体重119 kg.腹部膨満,呼吸苦,体動困難を主訴に当院を受診した.著明なるい痩と皮下浮腫があり,CTでは多量の腹水,右巨大卵巣囊胞性腫瘤を認めた.横隔膜は挙上,胸郭は変形しており,呼吸機能検査で拘束性換気障害を認めた.腫瘍を一塊として摘出した場合は急激な呼吸循環動態の変化が予測される為,術前に腫瘍内容ドレナージを施行した.ICU管理下で腫瘍内にバルーンカテーテルを留置し,2日間で45 Lの腫瘍内容を除去した.同時に呼吸リハビリテーションを実施した.手術は右付属器切除術,癒着剝離術を実施した.腫瘍の総重量は60.37 kgであり,術後病理診断はmucinous cystadenomaであった.術後の呼吸循環動態は安定しており,歩行訓練と呼吸器リハビリテーションを施行し術後24日目に退院した.

Key words:Giant ovarian tumor, perioperative management
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