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第56巻 第4号

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原著
当院における骨盤臓器脱の手術
堀田 大輔, 飯高 満三芳, 豊田 友子, 春日 美智子, 南郷 周児
長野県立信州医療センター産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 56(4):471-474, 2019

 当院では骨盤臓器脱に対する手術として2000年に発表されたB.Shullらが報告した腟式腟断端術(Shull法)1)を基本に前腟形成術および後腟形成術を組み合わせて施行している.Shull法は生理的状態に近い修復であり,良好な成績を収めているが,仙骨子宮靭帯の子宮付着側では,尿管がこの靭帯の約1 cm頭側を走行しており尿管損傷のリスクがその他術式に比べ高い.当院では尿管損傷のリスクをできるだけ低くする工夫として,腹腔鏡を併用し,Shull法を施行している.2017年4月~2018年5月の間に30例の手術を施行し,再発例はなく,尿管損傷例もない.患者年齢は中央値72(53~87)歳で身長150.5(140~169)cm,BMIは23.4(17.3~32.1)だった.手術時間は,中央値193(141~275)分,出血量は50(0~568)ml,合併症はポートサイトヘルニアが1例,術後イレウスが1例,直腸損傷が1例であった.直腸損傷は後腟壁形成の際に発生した.
 子宮下垂が軽度の症例では腟断端部が高位に位置し,腟断端部に仙骨子宮靭帯を経腟的に固定することが困難なことがしばしばある.その際には腹腔鏡下に仙骨子宮靭帯固定術を行う工夫をしている.
 今後の長期再発につき,フォローアップが必要であるが,骨盤臓器脱の手術として有効な1術式であると考える.

Key words:pervic organ prolapse(POP), laparoscopic colposuspension procedure, native tissue repair, Shull's method
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