書誌情報

第56巻 第4号

  • 書誌情報
  • 全文PDF

症例報告
妊娠19週時に全子宮破裂を認め,死産分娩に至った1例
長谷川 慶太, 岩佐 尚美, 松田 亜季, 福武 麻里絵, 境 委美, 藤岡 陽子, 和田 美智子, 樋野 牧子, 倉橋 崇, 中川 博之, 服部 純尚
独立行政法人国立病院機構埼玉病院
関東連合産科婦人科学会誌, 56(4):481-485, 2019

 子宮破裂は母児の生命予後に関与する稀な疾患で,突発的に起こり適切な対応が求められる産科救急疾患である.我々は,子宮手術後の2回の妊娠で反復して子宮破裂を認め,2回目の子宮破裂が妊娠19週と比較的早期であった一例を経験したので報告する.症例は34歳,2妊1産.1度目の子宮破裂は,32歳時に腹式子宮筋腫核出術後2年で自然妊娠成立し,帝王切開術時に,核出既往部位付近に筋層の菲薄化を認め縫合した.2度目の子宮破裂は,帝王切開術後2年で自然妊娠成立し妊娠中期に認めた.妊娠19週時に突然の下腹部痛を認め受診し,来院時は意識清明であったがShock Index 1.1であり大量補液を開始した.経腟超音波検査にて腹腔内にecho free spaceを認め,腹部CT検査にて子宮破裂の診断となり緊急手術を行った.開腹時,横隔膜下まで凝血塊を含む多量の出血を認め,子宮内から腹腔内に胎児および胎盤が未破水の状態で娩出されていた.全子宮破裂であり,胎児及び胎盤を腹腔外に摘出した.子宮破裂部位は子宮底部から前壁にかけて認めた.術中出血は3,332 gであり,死産児には明らかな外表奇形を認めなかった.術後8日目に退院とした.子宮破裂を予測する事は難しいのが現状である.子宮筋腫核出術を行う際には,子宮破裂の可能性について説明の上行う必要があり,手術介入が必要な筋腫であるかどうかは充分な検討が必要と考えられた.

Key words:uterine rupture, cesarean section, myomectomy, pregnancy, stillbirth
他地区の会員で全文PDFをご覧になりたい方は、学会事務局へお問合せください。

一般社団法人
関東連合産科婦人科学会

〒102-0083
東京都千代田区麹町4-7
麹町パークサイドビル402
(株)MAコンベンションコンサルティング内
E-mail:kantorengo@jsog-k.jp

一般社団法人関東連合産科婦人科学会

ページの先頭へ

Copyright © 一般社団法人関東連合産科婦人科学会