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第56巻 第4号

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症例報告
子宮全摘術10年後に骨盤内再発した子宮腺肉腫の1例
今泉 翠1), 海野 洋一1), 山本 敬介1), 片山 恵里1), 長澤 亜希子1), 真田 道夫1), 森本 沙知1), 野呂 昌弘2), 藤村 尚代1)
1)松戸市立総合医療センター産婦人科
2)松戸市立総合医療センター病理診断科
関東連合産科婦人科学会誌, 56(4):551-556, 2019

 子宮腺肉腫は,子宮肉腫の約5%程度と稀な疾患である.今回子宮全摘術後10年で骨盤内再発した子宮腺肉腫の症例を経験した.
 症例は69歳.59歳で腹式単純子宮全摘術および左付属器切除術を施行し,子宮腺線維腫と診断された.腹部膨満感を主訴に受診.骨盤MRI検査で腹腔内に22×20×8 cm大の腫瘤内に隔壁を認めた.卵巣癌の疑いで開腹手術を施行した.腫瘍は低異型度の腺上皮が主に管状,一部乳頭状に粗に分布し,低異型度の間質細胞の増生が見られた.多くの部分で上皮成分は乏しく,浮腫を伴い,また部分的には肉腫を示唆する地図状壊死が見られた.10年前の子宮病理組織所見を再検討したところ子宮腺肉腫であると分かり,本症例は子宮腺肉腫の骨盤内再発と診断を訂正した.
 子宮腺肉腫は非常に稀な疾患であるため,特徴的な所見の乏しい症例では,子宮腺線維腫と過小診断する可能性がある.子宮腺線維腫や子宮腺肉腫と診断する場合は,病理診断のセカンドオピニオンも検討する必要がある.

Key words:Uterine adenosarcoma, Recurrence
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