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第57巻 第1号

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原著
妊娠中に発見された子宮頸癌6例の検討
山口 舞子1), 楠木 総司1)2), 平山 貴士1), 竹田 純1), 藤野 一成1), 寺尾 泰久1), 板倉 敦夫1)
1)順天堂大学医学部附属順天堂医院産婦人科
2)あらかわレディースクリニック
関東連合産科婦人科学会誌, 57(1):29-33, 2020

 【目的】妊娠中に診断される子宮頸癌は上皮内癌やIA期が多くを占めるが,浸潤癌は10,000妊娠に当たり1~12程度と報告されている.そこで,診断時の状況や治療成績を集積することで,その特徴を把握し,早期の診断,治療を行うために,当院で経験した妊娠中に発見された子宮頸癌のため治療を要した症例を後方視的に検討した.【方法】2015年1月から2018年4月までに妊娠中に子宮頸癌と診断し治療を要した6症例の患者背景,手術成績について検討した.【結果】妊娠中に子宮頸癌と診断された6例はすべて他院で診断され,紹介症例であった.2例は妊娠初期から子宮頸部細胞診異常を認めたため,妊娠中期に円錐切除を行い診断に至った.他の4例は妊娠初期の子宮頸部細胞診はNILMであったが,うち1例は妊娠15週に不正出血を認めたため精査の結果,腺癌であったため中期に円錐切除を施行した.その他の3例は妊娠中期以降に断続的に性器出血を認めたが切迫早産として管理され,精査は妊娠後期まで行われなかった.妊娠初期細胞診がNILMであった4例の最終病理組織診断は1例が癌肉腫,3例が腺癌であり,全て浸潤癌であった.【結論】妊娠中に診断される子宮頸癌は特殊組織型が多く,細胞診で捉えにくい可能性がある.妊娠中に性器出血を繰り返す場合,内診,腟鏡診,経腟超音波検査を行って子宮頸部を十分に観察し,内頸部を含めた細胞診を行うことが早期発見に有用と考える.

Key words:cervical cancer, pregnant women
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