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第57巻 第1号

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症例報告
I型糖尿病合併妊娠においてFlash glucose monitoring systemによる血糖自己測定器を用いて血糖コントロールを行い良好な転帰を得た一例
北島 麻衣子, 笠井 絢子, 田中 舞, 鈴木 絢, 宮本 麻美, 小林 奈津子, 峰 優子, 大井 由佳, 茶木 修, 中山 昌樹
横浜労災病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 57(1):41-46, 2020

 【緒言】1型糖尿病合併妊娠症例においては管理に難渋することが多い.この度,Flash glucose monitoring systemであるFreeStyleリブレが発売され,2018年5月より本邦でも全インスリン使用妊婦へ本機器の利用が可能となった.本機器ではSMBGによる血糖値補正が不要であり,痛みを伴うことなく持続的に血糖値を測定することが可能である.この機器を用いて血糖管理を行い,良好な妊娠分娩転帰を得た一例を経験したので報告する.
 【症例】32歳,初産婦.9歳時より1型糖尿病の診断でインスリン治療を開始した.本機器の導入後に自然妊娠した.全妊娠期間中を通してHbA1c値5.3~6.3%で推移し,低血糖発作もなく妊娠40週1日に帝王切開術にて分娩となった.児は3,397 gで新生児低血糖は認めず日齢1より母児同室での管理が可能であった.また本症例に関して,SMBGと比較した本機器での予測血糖値の平均絶対的相対的差異は22.4%と既報告値より高かった.
 【結語】今後,本機器をはじめとしたFlash glucose monitoring systemの導入によって手軽かつ低侵襲な方法での血糖値確認が可能となり,良好な血糖管理の一助となることが予測される.しかしながら,測定誤差が生じることには留意して日常臨床に取り入れていくことが肝要である.妊娠中に本機器を使用した報告は少ないため,今後の症例の集積が期待される.

Key words:type 1 diabetes mellitus, Self-Monitoring, Blood Glucose
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