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第57巻 第1号

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特集 第137回学術集会優秀演題賞演題
再発卵巣癌症例におけるOlaparibによる有害事象の実際
鈴木 二郎, 池永 晃大, 斎藤 良介, 野口 大斗, 駒崎 裕美, 竹中 将貴, 柳田 聡, 矢内原 臨, 山田 恭輔, 高野 浩邦, 新美 茂樹, 岡本 愛光
東京慈恵会医科大学産婦人科学講座
関東連合産科婦人科学会誌, 57(1):123-127, 2020

 2018年1月にOlaparibがプラチナ製剤感受性再発卵巣癌に対する維持療法として承認された.Olaparibは経口治療薬で使用は簡便だが,維持療法として長期投与が必要なため,有害事象の把握が重要である.本研究では,当院でOlaparibを投与した日本人症例の有害事象を検討したので報告する.2018年5月から2019年4月までに,当院でOlaparib投与を開始した症例を対象とし,診療録から有害事象を中心に患者背景などを後方視的に検討した.対象症例は45例,観察期間中央値は17週,年齢中央値は62歳であった.組織型は,漿液性癌が最多で34例(76%)であった.有害事象はgradeを問わず42例(93%)に認め,発現の多い順に貧血35例(78%),悪心24例(53%),クレアチニン増加24例(53%),白血球減少17例(38%)であった.有害事象の程度は多くがgrade 1と2で31例(69%),3以上は11例(24%)であった.また,有害事象による休薬は11例(24%),減量は7例(16%)で,投与中止や死亡した症例はなかった.本研究で,日本人におけるOlaparibの有害事象は,既報と大きく変わらなかった.しかし,本邦における使用経験は乏しく,今後更なる症例蓄積と長期的なデータ集積による安全性の検討が望まれる.

Key words:Olaparib, adverse event, maintenance therapy
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