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第57巻 第4号

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原著
妊娠中のヒトパルボウイルスB19感染についての検討
嘉治 真彦, 勢多 真理子, 齋藤 郁恵, 上原 一朗, 上原 彩子, 鈴木 理恵, 井澤 朋子
佐々総合病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 57(4):417-423, 2020

 当院では2018年にPVB19 IgM陽性確認後の流産を3例経験した.
 ヒトパルボウイルスB19(以下PVB19)は小児に好発する伝染性紅斑の原因ウイルスであり,妊娠中の初感染によって胎児水腫や胎児死亡を引き起こすことがある.今回,当院における2014年1月から5年半の妊娠中にPVB19 IgMを検査した29例について検討したので,報告する.
 保育士2例以外の27例は経産婦であった.PVB19 IgMは10例が陽性であった.いずれも経産婦であり,実子が発症した9例と本人が発症した1例であった.
 顕性感染3例中1例,不顕性感染の7例中2例が死産となった.死産3例とも妊娠初期の感染例であった.当病院が所属している保健所管内では伝染性紅斑は2018年6月から約8か月間警報レベルとなっており,都内でも特に流行している地域であった.
 伝染性紅斑の確立した感染予防策がない現状においては,特に妊婦は日頃から飛沫・接触感染対策をすべきである.また,我々産婦人科医は伝染性紅斑含めた妊娠中に注意すべき感染症の流行期をきちんと把握し,直接妊婦に注意喚起を発信することが望まれる.

Key words:ヒトパルボウイルスB19, 伝染性紅斑, 感染症発生動向調査
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