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第57巻 第4号

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症例報告
妊娠36週での選択的帝王切開中に子宮破裂を認めた腹腔鏡下卵管間質部妊娠手術既往妊娠の一例
児玉 信, 鈴木 陽介, 内藤 早紀, 長谷部 里衣, 森岡 将来, 竹内 亜利砂, 神尊 貴裕, 中村 泰昭, 冨尾 賢介, 五十嵐 敏雄, 林 正路, 梁 善光
帝京大学ちば総合医療センター産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 57(4):467-471, 2020

 子宮に対する手術の既往が妊娠中の子宮破裂の要因のひとつであることは既知のことであり,間質部妊娠術後も例外ではない.今回我々は,腹腔鏡下間質部妊娠術後の自然妊娠症例で,切迫子宮破裂徴候を認めないまま妊娠36週での選択的帝王切開術の術中に瘢痕部の全子宮破裂を発症したと考えられた一例を経験した.間質部妊娠術後の子宮破裂例の報告は多くあるが,選択的帝王切開中の発症は稀である.間質部妊娠術後妊娠は既往帝切後妊娠や筋腫核出術後妊娠と比べて子宮破裂のリスクが高い可能性があり,一般的な子宮手術後妊娠とは区別して取り扱い,より厳重に周産期管理を行うべきであると考えた.また本症例では,間質部妊娠手術後に行った次回妊娠に対する指導が患者に十分伝わっていなかった.医療安全の観点からは,文書の導入など指導法を再考する必要があると考えた.

Key words:Uterine rupture, Caesarean section, Interstitial pregnancy, Laparoscopic salpingectomy with corneal resection
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