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第58巻 第1号

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原著
当センターにおけるレルゴリクスの使用経験~効果,副作用,粘膜下子宮筋腫に対する術前の使用について~
関 章秀, 鈴木 研資, 有馬 香織, 渡邊 理子, 山田 学, 笠井 靖代, 木戸 道子, 宮内 彰人
日本赤十字社医療センター産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 58(1):17-22, 2021

 子宮筋腫に対する治療薬としてGnRHアンタゴニスト製剤であるレルゴリクスが保険収載され,有効性が期待される.従来の子宮筋腫治療薬であるGnRHアゴニスト製剤の酢酸リュープロレリンはフレアアップ現象によって大量出血を起こす例があり,慎重な使用が求められたが,レルゴリクスは,フレアアップ現象が起こらず,子宮内膜の肥厚が抑えられることから,粘膜下子宮筋腫に対しても安全な使用が可能となることが期待される.近年増加している低侵襲の鏡視下手術を安全に行う為には腫瘍の縮小,貧血の改善が必要であり,術前におけるレルゴリクスの有効性の検証が必要である.
 本研究では,レルゴリクスが保険収載された2019年3月1日から2020年4月30日の間に当センターでレルゴリクスが処方された例について,子宮筋腫縮小効果,貧血改善効果,副作用,粘膜下子宮筋腫に対する使用の安全性について後方視的に検討した.
 レルゴリクスは子宮筋腫縮小効果を示し,投与期間と縮小率の相関関係は投与後2週間以降90日未満で最も強かった.また,貧血合併例において貧血改善効果を示した.副作用は添付文書に記載している頻度より低く,粘膜下子宮筋腫に対する使用においてもフレアアップ現象を認めず,比較的安全性が高い薬剤であることが示唆された.レルゴリクスは,子宮筋腫手術,特に鏡視下手術の術前治療薬として有効な選択肢のひとつと成り得る.

Key words:Relugolix, GnRH antagonist, myoma, TCR
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