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第58巻 第4号

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原著
早期流産後のretained products of conception(RPOC)の管理についての検討
笹津 聡子, 大森 真紀子, 小川 達之, 田中 孝太, 福島 治朗, 尾山 恵亮, 多賀谷 光, 大木 麻喜, 小笠原 英理子, 深澤 宏子, 奥田 靖彦, 平田 修司
山梨大学医学部産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 58(4):441-447, 2021

 Retained products of conception(RPOC)は大量の子宮出血を起こすことがあるため管理に苦慮する.今回われわれは早期流産後のRPOCの管理について検討した.対象は2016年1月~2019年11月に当院で管理した妊娠12週未満の自然流産あるいは人工妊娠中絶術後のRPOC 33例で,年齢は27~46(中央値36)歳,凍結融解胚移植による妊娠が13例(39%),診断時のRPOCの大きさは経腟超音波検査で長径8~50(中央値14)mmであった.7例は不妊治療再開のために直ちに治療を行った.経過観察とした26例のうち5例(19%)に大量出血,9例(35%)に自然排出がみられた.診断時に23例でRPOC内部と付着部の子宮筋層内に著明な血流を認め,その後も血流が持続した16例のうち5例で大量出血が起こり緊急で治療を行った.経過中に血流の消失が認められた9例は大量出血を起こすことなく自然に排出した.治療は子宮内容除去術12例,子宮鏡下手術11例,血液型がRh(-)で仮性動脈瘤を形成し大量出血がみられた1例に子宮動脈塞栓術を先行して子宮鏡下手術を行った.いずれも術中出血量は50 mL以下であった.早期流産後のRPOCにおいて,血流の持続,消失はその後の臨床経過と有意な関連を示したが,大量出血がみられた時期は流産後2~18週と差が大きく,あらかじめ予測することは困難であった.

Key words:abortion, hysteroscopic resection, placental polyp, retained products of conception, uterine arterial embolization
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