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第58巻 第4号

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症例報告
腹腔鏡下両側卵管切除後のART妊娠にて左卵管間質部妊娠の早期破裂を来たした1例
馬場 七織, 高木 亜由美, 竹原 直希, 山本 敬介, 野田 あすか, 嘉藤 貴子, 伊藤 桂
千葉メディカルセンター産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 58(4):624-629, 2021

 卵管間質部妊娠は異所性妊娠の約2~4%であるが,生殖補助医療(assisted reproductive technology:ART)の普及で増加傾向である.我々は,2度に渡る異所性妊娠により腹腔鏡下両側卵管切除をした既往のある患者が,今回ART妊娠において左卵管間質部妊娠の破裂を来たした1例を経験したので報告する.
 症例は38歳の患者で,自然妊娠による右卵管妊娠に対して腹腔鏡下右卵管切除術,自然妊娠による左卵管妊娠に対して腹腔鏡下左卵管切除術を施行した既往がある.その後ART妊娠による正常妊娠で自然頭位分娩を1回経験している.今回胚盤胞移植により妊娠が成立した.妊娠6週2日に腹痛を主訴に救急受診し,左卵管間質部に胎囊と腹腔内液体貯留を確認した.左卵管間質部妊娠の破裂と診断後,緊急手術とした.腹腔内は多量の出血があり,左卵管間質部に腫大部位の破裂所見があったため間質部の楔状切除を行った.病理検査では絨毛組織を確認しており,術後45日目で血中hCGは感度以下を確認した.
 卵管切除後であっても通常同側卵管間質部は残っており,妊娠確認の際には切除側の付属器観察も十分に行う必要がある.また卵管切除後の間質部妊娠は早期に破裂する可能性があるため,卵管切除後に同側間質部妊娠を疑う際には厳重な管理が必要である.

Key words:interstitial pregnancy, ectopic pregnancy, ART
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