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第58巻 第4号

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特集 第140回学術集会優秀演題賞演題
術中に他科との連携を要した良性疾患に対する腹腔鏡下手術症例の検討
芦川 すが, 泉 玄太郎, 森嶋 かほる, 浦田 陽子, 能瀬 さやか, 廣田 泰, 甲賀 かをり, 平池 修, 大須賀 穣
東京大学医学部附属病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 58(4):679-684, 2021

 婦人科良性疾患に対する腹腔鏡下手術において,手術中に他科応援を必要とする症例はしばしば経験される.当科では,術中他臓器損傷のリスクが高いと予想される症例については,術前に当該科へコンサルトし,合同で症例の検討を行っている(術前依頼).一方で,術前依頼の有無にかかわらず,術中に他臓器損傷など予期せぬトラブルが発生した場合,その場で他科の医師に応援依頼をしている(術中応援).手術リスクを正確に評価し,術前に高リスク症例を選定することを目的とし,当院女性外科にて2015年から2019年に,良性疾患の診断で腹腔鏡下手術を行った1,450症例について後方視的に検討を行った.1,450症例中,術前依頼をかけた症例は49例(外科43例,泌尿器科6例)であった.偶発的なアクシデントにより術中依頼をかけた症例は7例(外科2例,泌尿器5例)であり,理由は全て臓器損傷もしくはその有無の確認であった.
 我々は術前・術中他科依頼を行った症例の背景から,他臓器損傷リスクを予測することを試みた.術式,PID既往,子宮内膜症性卵巣囊胞の有無によっては術中応援に有意な差は認めなかった.手術既往の有無によって術中応援に有意な差を認めた(OR 7.388,P<0.01).特に婦人科開腹手術(OR 12.393,P<0.05)と帝王切開(OR 13.500,P<0.05)の既往がある群においては有意に依頼が多かった.

Key words:laparoscopic surgery, complication, colon injury, bladder injury
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