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第59巻 第1号

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原著
当院における妊娠中の胎児胸水に対する処置についての検討
大坪 翔, 谷垣 伸治, 松島 実穂, 安部 美由紀, 竹森 聖, 北村 亜也, 田中 啓, 松澤 由記子, 大沢 草宣, 鈴木 珠美子, 小林 陽一
杏林大学医学部産科婦人科学教室
関東連合産科婦人科学会誌, 59(1):5-9, 2022

 胎児胸水は未治療例の生存率が低く,特に胸水以外の胎児水腫所見を伴う例は予後不良といわれている.胎児胸水への対処は妊娠34週未満の場合,診断的胸腔穿刺(以下試験穿刺)後,1週間以内の胸水再貯留例は胎児胸腔羊水腔シャント造設術(以下TAS)を行う.妊娠34週以降では娩出し,新生児管理が勧められる.当院においても妊娠34週未満の胎児胸水例は試験穿刺を施行し,二次性胸水を鑑別,胸水再貯留例ではTASを施行している.妊娠34週以降は分娩時胸腔穿刺術(以下IPTC)を患者・家族の同意を得て施行している.今回,当院における胎児期の胸水に対する処置の有効性について検討した.胎児胸水を13例で認め,血液型不適合妊娠による貧血が原因であった1例,自然軽快した1例を除外した.試験穿刺後1例は胸水が再貯留せず軽快した.他は再貯留し,TASが3例,IPTCが4例施行された.TASを施行した2例は出生後に胸水に対する処置が不要で,1例はシャント非造設側のみ出生直後に胸腔ドレーンを必要とした.TASは非常に有効であり,胎児胸水の早期診断・対処の重要性が再確認された.IPTC施行例は,3例で出生後の胸腔ドレーン留置時期の延期が可能であり,予後不良である腹水貯留例2例も生存している.IPTCは出生後の初期蘇生処置の負担を軽減させる可能性があり,難治例への有効性も含め症例を蓄積し検討を継続したい.

Key words:pleural effusion, hydrops fetalis, thoracoamniotic shunting, intrapartum thoracentesis
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