書誌情報

第59巻 第1号

  • 書誌情報
  • 全文PDF

特集 第141回学術集会優秀演題賞演題
進行卵巣癌,卵管癌,腹膜癌IV期に対する腫瘍減量手術は予後を延長するか?
夏目 貴史, 棚瀬 康仁, 北村 翔一, 藤井 えりさ, 加藤 真弓, 宇野 雅哉, 石川 光也, 加藤 友康
国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科
関東連合産科婦人科学会誌, 59(1):99-104, 2022

 胸水や腹腔外臓器への遠隔転移を呈する進行卵巣癌,卵管癌,腹膜癌(以下,卵巣癌と表記する)に対し,化学療法後に腫瘍減量手術を行うかどうかはしばしば悩まされる.また,卵巣癌IV期に対する腫瘍減量手術の要否に関する報告は稀少である.
 2007年から2015年の間に臨床進行期がIV期と診断し,当院で治療を行った卵巣癌79症例を後方視的に検討した.卵巣癌IV期の5年全生存率43%,5年無増悪生存率15%であった.生存期間に関して年齢,臨床進行期,病理組織型,腫瘍減量手術の項目,で各々にLog rank検定を行ったところ,腫瘍減量手術施行群で有意に生存期間の延長を認めた.Cox比例ハザードモデルを用いて生存期間に関与する因子を検討したところ,全生存期間(OS:Overall Survival),無増悪生存期間(PFS:Progression Free Survival)において,腫瘍減量手術の有無が予後因子として抽出された.
 当院で治療を行った卵巣癌IV期症例に対して,腫瘍減量手術が予後良好因子であった.遠隔転移を有するIV期症例に対しても,薬物療法が奏功すれば腫瘍減量手術が予後改善に繋がる可能性が示された.

Key words:Ovarian cancer, StageIV, Debulking surgery
他地区の会員で全文PDFをご覧になりたい方は、学会事務局へお問合せください。

一般社団法人
関東連合産科婦人科学会

〒102-0083
東京都千代田区麹町4-7
麹町パークサイドビル402
(株)MAコンベンションコンサルティング内
E-mail:kantorengo@jsog-k.jp

一般社団法人関東連合産科婦人科学会

ページの先頭へ

Copyright © 一般社団法人関東連合産科婦人科学会