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第60巻 第4号

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原著
当院における妊婦に対する新型コロナワクチンの効果・副反応の検討
楯 浩行1), 楯 真一1)2), 楯 健司1), 楯 高子1), 楯 二郎1)
1)たて産婦人科
2)千葉大学医学部付属病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 60(4):433-439, 2023

 【目的】日本では2021年2月から新型コロナワクチンの接種が始まった.特例承認のため妊婦に対する治験はなくその実態は明らかではない.今回妊婦における接種実態を明らかにするため調査を行った.【方法】2021年6月から2022年7月までに当院を受診した妊産婦920名を対象とした.統計はカイ二乗検定を用いた.【結果】2022年7月の時点で1回目の接種を済ませた妊婦は86.7%,2回目の接種を済ませた妊婦は86.3%,3回目の接種を済ませた妊婦は25.3%であった.妊娠第1三分期や正期産期に接種する妊婦は少なかった.1~2回目接種で93%,3回目では60%の妊婦がファイザー社製を接種し,モデルナ社製は1~2回目で4%,3回目で25.1%であった.1回目と比較して2~3回目の接種後は倦怠感・頭痛・発熱の副反応の頻度が上昇し解熱剤の内服も増加した.またワクチン接種において,1,2,3回目のいずれも妊娠中は副反応の頻度が非妊娠時に比べ低い傾向にあり解熱剤の内服も少なかった.2021年まではワクチン接種後早期の感染者は少なかったためワクチンの感染予防効果は高かった可能性がある.ワクチンを妊娠前・妊娠中に一回以上接種した妊婦では流産は5.5%,先天性疾患は2.6%認められた.【結論】ワクチンの副反応は妊娠中では頻度が低く,2021年までのワクチンの感染予防効果は高かった可能性があることが判明した.

Key words:covid-19, pregnancy, vaccine, adverse reaction
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