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第60巻 第4号

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原著
妊婦のCOVID-19ワクチン接種および心理的状況に関する調査
池袋 真1), 白土 なほ子1), 宮上 景子1), 佐藤 陽子2), 德中 真由美1), 小出 馨子1), 松岡 隆1), 関沢 明彦1), 盛本 太郎3)
1)昭和大学医学部産婦人科学講座
2)昭和大学病院
3)旗の台レディースクリニック
関東連合産科婦人科学会誌, 60(4):459-467, 2023

 【目的】2020年12月に厚生労働省は,都道府県の協力のもと市町村がCOVID-19ワクチン接種を実施するように通知し,ワクチン接種の運用決定・実施は各市町村に一任されたことで,ワクチン接種開始時の接種状況は居住地域により異なることとなった.本研究は,選択式調査,ならびに自由記述に対するテキストマイニングによる解析をもちいて,東京都A地区における妊婦のワクチン接種希望や心理的状況を把握し,課題を抽出することを目的として検討を行った.
 【方法】2021年8月23日から9月30日にA地区のBクリニックで妊婦健診を行った101人を対象に記述式アンケート調査を実施した.
 【成績】76%の妊婦がワクチン接種を希望し,検討中は16%,希望しないは6%であった.接種を迷う人の多くは胎児への影響や副反応を心配していた.ワクチン接種した妊婦のうち,容易に接種を予約できた人は48%で,やや大変が25%,とても大変だったが27%であった.接種場所は区集団接種が最も多く(44.6%),次いで職域接種(28.4%),個別接種(23%)であった.自身の感染リスクや感染時の医療体制に不安を感じている人が多く,COVID-19禍に特化した情報提供体制・相談窓口・産後支援を求める意見が抽出された.
 【結論】COVID-19禍では,通常とは異なる妊産婦のアンメットニーズが存在することが分かり,妊婦の心配事や家族との関わり方が通常とは異なるためと推察された.医療者・行政はこの点を念頭に置き柔軟に対応する必要があると考えられた.

Key words:COVID-19 vaccination pregnancy, epidemiology
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